外構のロックガーデンのメリット・デメリットは?作り方やおすすめ植物を紹介
ロックガーデンとは、岩や石と植物を組み合わせた庭のことです。
コンクリートやブロックといった人工物よりも、おしゃれでナチュラルな雰囲気に仕上がります。
費用を抑えて高級感のある演出ができるのがロックガーデンの魅力です。
この記事では、ロックガーデンのメリット・デメリットを実例と共に解説します。
低コストなロックガーデンを作るポイントと作り方の手順も紹介しますので、外構・庭づくりの参考にしてみてください。
家の外構にロックガーデンを作るデメリット
ロックガーデンのデメリットは以下のとおりです。
- 30度以上の傾斜地には向かない
- 仕上がりによって手抜きした雑な庭に見える
- 岩石や植物の選び方や仕入れ方が困難
3つのデメリットを詳しく解説しますので、自宅の環境も含めてロックガーデンを取り入れるか考える基準としてみてください。
デメリット1.30度以上の傾斜地には向かない
ロックガーデンは、30度以上の傾斜がある土地には向いていません。
30度以上の傾斜地では、岩や石が転がり落ちたり土砂が流出したりする危険性が高まります。
ただし、ロックガーデンは緩やかな傾斜を付けるとより本格的に見せられます。
傾斜が30度以上にならないようにして、石を埋めるなどの対策を取りましょう。
傾斜地にロックガーデンを作る場合は、業者に依頼してきちんと対策してもらうことをおすすめします。
デメリット2.仕上がりによって手抜きした雑な庭に見える
ワイルド、ナチュラルな雰囲気がロックガーデンの大きな魅力です。
しかし、仕上がりによっては手抜きした雑な庭に見えてしまうことがあります。
ロックガーデンには決まった形がない分、施工にはコツがいります。
きっちり施工すれば見栄えがするコンクリートやブロックと違い、ロックガーデンはセンスが問われる庭だと理解しておきましょう。
デメリット3.岩石や植物の選び方や仕入れ方が困難
岩石は色も形も豊富なため、外構・庭に設置する際に何を選べばよいか迷ってしまいます。
仕入れも難しく、種類によっては石材店から取り寄せる必要があり、通販だと重さで送料が高額になりがちです。
河原で拾えばいいと考えるかもしれませんが、法に触れる可能性があるため購入するほうが良いでしょう。
河川区域内での石の採取は、採取する量が極めて少なく、かつ、一時的である場合を除いて、河川法第25条等の許可が必要な場合がありますので、事前にご相談ください。
引用元:河川区域内の石の採取について |新潟県
参考:河川法第二十五条
岩石だけでなく、植物もロックガーデンに合うものを選ばなければなりません。
選択肢が多く、迷って決められない場合は業者に依頼することも検討してみましょう。
家の外構にロックガーデンを作るメリット
ロックガーデンのメリットは以下のとおりです。
- ナチュラルでおしゃれな庭を作れる
- 雑草に強く手入れがラク
- 低コストで作れる
- スペースに合わせて作れる
4つのメリットをそれぞれ詳しく解説します。
メリットとデメリット、どちらを重視するのか自宅のケースで想定してみましょう。
メリット1.ナチュラルでおしゃれな庭を作れる
鉢植えや花壇とはまた違う、より自然に近い雰囲気がロックガーデンの魅力です。
外構をコンクリートで覆うと無機質な印象となりますが、ロックガーデンならナチュラルで温かみのある雰囲気を演出できます。
ロックガーデンの起源は、高山植物園やドライガーデンです。
高山植物を植えるために大小の岩を配置したり、乾燥地帯の植物に砂利や砂を合わせたりしたところから、植物だけでなく岩や石も楽しむロックガーデンへと発展しました。
選ぶ岩石や植物によって印象が変えられるのもロックガーデンの特徴です。
日本庭園風やイングリッシュガーデン風、アジアンテイストなど、さまざまな表現が可能です。
メリット2.雑草に強く手入れがラク
雑草に強く、管理や手入れが楽なのもロックガーデンのメリットのひとつです。
ロックガーデンでは岩や石をメインとするため、必然的に土の面積は少なくなります。
そのため、至るところから雑草が生えるという事態を防げます。
石や砂利を敷いて日光を遮れば雑草対策となり、防草シートを取り入れればさらに管理が楽になるでしょう。
また、植栽に乾燥を好む植物を選べば、水やりの回数も少なくてすみます。
手入れの手間を軽減できるのは大きなメリットだといえるでしょう。
メリット3.低コストで作れる
手間だけでなくコストも抑えられるのが、ロックガーデンの魅力のひとつです。
ロックガーデンは、多くの場合目隠しの塀を必要としません。
岩や石をメインとしたオープン外構が基本となるため、資材費や工事費があまりかからないのが特徴です。
植栽もたくさんは必要ないため、その分の費用も抑えられるでしょう。
また、岩や石は天然木などと比べると耐久性が高く、あまり劣化しません。
むしろ、苔や汚れが味となってくれます。
メンテナンスの手間と費用がかからず、初期費用もランニングコストも安く済むのは大きなメリットです。
メリット4.スペースに合わせて作れる
ロックガーデンは、広い庭はもちろん、狭い庭でもスペースに合わせて作れます。
外構や庭の一部分をロックガーデンにする場合なら、材料費も安く済みます。
また、庭というと日当たりが良い場所というイメージがあるかもしれません。
しかし、高山植物やハーブ類は日陰でも育ってくれます。
その場所に適した植物を選べば、小さなスペースでもおしゃれなロックガーデンが作れます。
日当たりの良くない花壇の一角や外構の一部分など、空いている場所で気軽に始められるのがロックガーデンです。
低コストなロックガーデンの作り方
費用を抑えてロックガーデンを作る方法は、大きく分けると以下の2つです。
- DIYで作る
- 業者に相見積もりをとる
それぞれの作り方について解説します。
自分に適した作り方はどちらかなのか、確認してみましょう。
DIYで作る
ロックガーデンは、DIYでも作りやすい庭といえます。
決まった形がないため、自分のセンスと好みで作れます。
その一方で、岩石や植物の選び方によっては、家や庭全体とのバランスが悪くちぐはぐな雰囲気になりかねません。
DIYのしやすさはありますが、誰でも簡単に満足のいくロックガーデンが作れるわけではないため注意が必要です。
どういったロックガーデンが良いのかイメージが固まらないなら、門柱の根本やアプローチ脇などの小さなスペースで少しずつ始めるか、業者への依頼がおすすめです。
業者に相見積もりをとる
業者に依頼する中でも外構・エクステリアの専門業者に依頼することで、費用を抑えておしゃれなロックガーデンが作れます。
石の選定や仕入れを任せられるので、たくさんの選択肢に頭を悩ませなくても済みます。
ただし、業者によって得意なことは違います。
費用にも差が出るため、まずは複数社から見積もりを取って費用面でしっかり検討することが重要です。
外構・エクステリアパートナーズなら、一度の問い合わせでおよそ3社から相見積もりをとれます。
スケジュールや価格の調整、お断り連絡も専門アドバイザーに任せられますので、お気軽にお問い合わせください。
ロックガーデンの作り方の手順
ロックガーデンの作り方の手順は以下の4ステップです。
- 素材を選ぶ
- 石を積む
- 土を入れる
- 植物を植える
それぞれの工程について、具体的に何を行うのかを詳しく見ていきましょう。
①素材を選ぶ
ロックガーデンのメインとなる石材には、
- 割栗石(わりぐりいし)
- 大理石
- 石英岩
- 溶岩石
などがあります。
岩石を砕いた割栗石は石同士がかみ合いやすく、斜面でも使いやすい石材です。
岩石が熱で変形した大理石は、光にあたると輝き、高級感があります。
場所や植物に合わせて、さまざまな色がある石英岩や水はけの良さが特徴的な溶岩石を使うのもよいでしょう。
合わせる植栽は、乾燥に強い多肉植物や高山植物をおすすめします。
具体的な種類としては以下のような植物があげられます。
- サボテン
- アガベ
- シャクナゲ
- ユーカリ
- ヤシ
- プルメリア
和風のロックガーデンなら黒い溶岩石や和アイテムを選ぶ
和風のロックガーデンには、ごつごつとしていて黒っぽい溶岩石がおすすめです。
苔が生えた石なども、情緒を感じられるでしょう。
あわせて灯篭や竹垣といった和のアイテムを取り入れれば、日本庭園の雰囲気が漂います。
水源が近くにあるなら、水をひく筧(かけひ)やつくばい、ししおどし(鹿威し)を組み合わせるのもよいですね。水と竹の音が楽しめる風流な庭になります。
洋風のロックガーデンならカラフルな石や植物を選ぶ
ロックガーデンを洋風にデザインしたいなら、カラフルな石を使うのがおすすめです。
クォーツロックや割栗石などは明るい色味のものも多く、簡単に「洋」を感じられる庭が作れます。
洋風のロックガーデンなら、濃い緑や黄色っぽいグリーンなどのほか、花で色を取り入れるのもおしゃれです。
花を増やすとイングリッシュガーデンのような雰囲気となり、ナチュラルさが増します。
②石を積む
実際に石を設置する際は整地から始めます。
配置する場所に石の半分以上が埋まる深さの穴を掘り、穴の底を踏み固めて平らにしましょう。
雑草対策をするなら底に防草ネットを敷くのがおすすめです。
石が転がらないくらいの穴が準備できたら、そこに自然な形で石を組んでいきます。
石が崩れないよう、安定させながら積んでいくのがポイントです。
規則正しく組むとかえって不自然になるため、組んだ石の造形美を楽しみつつ、良い意味で適当に配置しましょう。
植物を植えるスペースも確保しておいてください。
③土を入れる
石を組めたら、植物スペースに土を入れます。
土は、培養土や堆肥、肥料を混ぜ、植える植物に合わせて作ります。
ロックガーデンに多肉植物や高山植物を植える場合、水はけの良さが重要です。土に川砂や赤玉土を混ぜると水はけが良くなります。
湿地性の植物なら、ピートモスや腐葉土を混ぜて土の保水性を高めましょう。
植物ごとに適した土の性質は、以下の表を参考にしてください。
多肉植物 | 水はけと通気性の良い土 |
---|---|
高山植物・山野草 | 水はけの良い乾燥気味の土 |
サボテン | 適度な排水性と保水性の土 |
湿地性の植物 | 保水性の高い土 |
④植物を植える
植物を植えるスペースひとつに一種類の植物を植えると、バランス良く配置できます。
日当たりや水はけなど、そのスペースの特性に合わせた植物を植えましょう。
斜面に植える場合、上の方には乾燥に強い植物を、影になりやすい下の方には湿地を好む植物が適しています。
植物の性質だけでなく、色や形などにも気を付けてバランスを取りましょう。
横に広がったり高く伸びたりといった植物の特性を理解し、奥行きや高低差を意識してデザインします。
ロックガーデン作りの醍醐味! おしゃれに仕上げる石の積み方
ロックガーデンの作り方の手順がわかっても、DIYで実際に石を積む際にはどうしたら良いか迷ってしまいます。
ロックガーデンの良さはナチュラル感ですので、迷うほどに「何か違う……」となりがちです。
そこでここからは、おしゃれに仕上がる石の積み方を解説します。
考えすぎず直感で積む
石の積み方に迷えば迷うほど、何が正解かわからなくなってしまいます。
あまり考えすぎてもうまくいかないので、考えすぎずに直感で積んでみましょう。
自然界の石は誰かが設置したわけではありません。
キレイに見せようと考えず、ただ置くだけのほうがおしゃれに見えるものです。
さらに、石を置いたり詰んだりする際に、土を盛って立体的にすると見栄えが良くなります。
石の大きさをランダムにする
おしゃれなロックガーデンに仕上げるには、石の大きさも重要なポイントです。
石の大きさがそろっていると整然とした印象となり、ロックガーデンのナチュラルな魅力が発揮されません。
自然な雰囲気を演出するためには、石の大きさや配置をランダムにすることが重要です。
庭のスペースを埋めようとせず、何も置かない部分を意識して作るとバランス良く仕上がります。
大きさの違う石や植物スペースを、規則正しくならないように配置してみてください。
ロックガーデンにおすすめの植物
外構・庭にロックガーデンを作る場合、選ぶ植物で印象が変わります。
どういった植物を選べばいいのか、おすすめの植物を紹介しますので参考にしてみてください。
家の象徴となるおすすめシンボルツリーと、使い勝手の良い低木を3種類ずつセレクトしました。
シンボルツリー | 低木 |
---|---|
ドラセナ | ユッカ |
アロエ | ローズマリー |
ソテツ | プルメリア |
ロックガーデンにおすすめのシンボルツリー
シンボルツリーとは、家の象徴として新築や何かの記念に植えられる樹木のことです。
庭の印象を決定づける存在ですので、見た目や表現したいイメージに合わせて選びましょう。
シンボルツリーの種類 | 特徴 |
---|---|
ドラセナ | ・乾燥に強く育てやすい ・南国を思わせる雰囲気でリゾート感を演出できる ・「幸福の木」と呼ばれる種類がある |
アロエ | ・特徴的なみずみずしい厚みのある葉 ・大きく広がって育つ種類はワイルドな印象 ・丈夫で手入れが簡単 |
ソテツ | ・南国風のデザインと相性の良いヤシの木 ・病気や害虫被害が少なく初心者向き ・一度植えたら水やり不要で手間がかからない |
ロックガーデンにおすすめの低木
低木には、背の高い木と同じ一本幹の立ち木タイプのほか、横方向へ伸びるタイプやボックス状に成長するタイプがあります。
見た目の印象が異なるため、花や低木同士などさまざまな組み合わせが可能です。
低木の種類 | 特徴 |
---|---|
ユッカ | ・日陰の庭でも育てやすい ・耐暑性・耐寒性に優れ、植栽場所を選ばない ・広がりつつ上に伸びる剣状の葉が洋風に合わせやすい |
ローズマリー | ・葉だけでなく小さな花も楽しめる ・和風・洋風のデザインにも合わせやすい ・料理にも使え、防虫作用もある |
シャクナゲ | ・庭のポイントになる豪華で美しい花 ・和風・洋風のデザインにも合わせやすい ・高山植物のため乾燥しやすい寒冷地でも強い |
ロックガーデンをさらにおしゃれに仕上げる2つのコツ
ロックガーデンをさらにおしゃれに仕上げるためのコツは以下になります。
- コツ1.門柱の色や質感を合わせる
- コツ2.フェンスもナチュラルな木質のものを選ぶ
ロックガーデンは、塀などを作らないオープン外構が基本となります。
開放的なロックガーデンをさらにおしゃれに仕上げるには、ちょっとしたコツがあります。
これから紹介する2点を意識すれば、見栄えが大きく変わるでしょう。
コツ1.門柱の色や質感を合わせる
門柱のデザインはロックガーデンの雰囲気に合わせることをおすすめします。
木目調の門柱なら、ロックガーデンのナチュラルな雰囲気と相性抜群です。
そのほか、石の質感をそろえたレンガやタイル調の門柱もよいでしょう。
ロックガーデンの一部と考えて、門柱のデザインにもこだわってみてください。
ナチュラルな雰囲気をそろえると、外構全体の統一感が増します。
コツ2.フェンスもナチュラルな木質のものを選ぶ
フェンスを使う場合は、アルミなどの金属よりナチュラルなウッドフェンスがおすすめです。
アルミフェンス自体はおしゃれですが、都会的な雰囲気のためロックガーデンからは浮いてしまいます。
フェンス自体のデザインよりも、庭との統一感を重視してフェンスを選びましょう。
具体的な商品でいうと、リクシルの「フェンスAA」やYKK APの「ルシアスフェンス」がおすすめです。
どちらも木目のカラーバリエーションが豊富で、石材や植栽に合わせて選べます。
ポイントを押さえて家の外構におしゃれなロックガーデンを作ろう
ロックガーデンは、スペースに合わせて低コストで作れます。
手入れが楽なこともあり、比較的簡単に作れるガーデンスタイルです。
しかし、DIYに挑戦しやすい反面、仕上がりによっては手抜きした庭に見えるというデメリットがありました。
岩石の選び方や仕入れの難しさがあるため、ロックガーデンのデザインに悩む場合は業者に頼むことも検討してみましょう。
外構・エクステリアの専門業者に依頼する場合は、相見積もりを取ることをおすすめします。
専門業者に依頼すれば、ロックガーデンだけでなく、門柱やフェンスを含む全体を考慮したおしゃれな外構が作れるでしょう。
見積もりを取る業者選びに迷う場合は、外構・エクステリアパートナーズの「無料見積比較」をお試しください。
各業者の費用と提案を確認してからDIYにするか検討するほうがスムーズです。