宅配ボックスの埋め込みデメリットは?門柱・壁それぞれのパターンに分けて解説

近年、留守中でも荷物を受け取れる宅配ボックスの需要が高まっています。
その中でも「埋め込み型」はデザイン性に優れ、外観をすっきり見せられる点から人気の高い設置方法です。
しかし、門柱や外壁に埋め込む場合には、見た目の良さだけでなく施工方法やメンテナンス性など、注意すべきポイントも多く存在します。
この記事では、宅配ボックスを「門柱に埋め込むタイプ」と「外壁に埋め込むタイプ」に分けて、それぞれのデメリットや設置時の注意点を詳しく解説します。
設置後に後悔しないためのチェックポイントを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
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宅配ボックスの埋め込みパターンは2つ
宅配ボックスを埋め込む設置方法には、主に「門柱(門壁)に組み込むタイプ」と「建物の外壁に組み込むタイプ」の2種類があります。
門柱・門壁に埋め込む

敷地の入り口付近にある門柱や塀の中にボックスを組み込むパターンです。
郵便ポストと同じように門まわりに設置できるため、建物本体に手を加えずに宅配ボックスを導入できます。
門柱のデザインに合わせて一体化できる反面、ボックスを収めるために門柱自体を大きくする必要があり、デザインや配置に制約が出ることもあります。
なお、既存の門柱に後付けする場合は門柱と同じシリーズの宅配ボックスと合わせることで設置時に強度や雰囲気が統一されます。
家の壁に埋め込む

建物の外壁に宅配ボックスを埋め込むタイプは、住宅の壁面に開口部を設けてボックスを設置する方法です。
外壁と一体化するため景観に馴染みやすく、室内側(玄関ホール側)から荷物を取り出せる製品もあります。
ただし、据え置きタイプ(置き型)に比べて施工に手間がかかるため設置費用が割高になりがちです。
特に後付けで壁に埋め込む場合は、大掛かりな工事となるケースもあるため注意が必要です。
なお、外壁の構造上ボックスを収める十分なスペースが確保できない場合、設置できないこともあります。
【共通】建物の壁に埋め込む宅配ボックスのデメリット
後からの変更が困難
一度宅配ボックスを埋め込んでしまうと、後から位置や設置方法を変更するのは容易ではありません。
サイズを大きなものに交換したり、設置場所を移動したりする場合、元の開口部の補修や新たな穴開け工事が必要です。
また、宅配ボックスが故障した際にも、自分で簡単に取り外して交換することは難しく、修理や交換には壁や門柱を一部解体するような大掛かりな工事が発生する可能性があります。
埋め込み型はこうした手間とコストがかかるため、最初の設置時に慎重な検討が必要です。
受け取れる荷物のサイズが限定的
埋め込み型宅配ボックスは、選べるサイズや容量に限りがあります。
そのため、ボックスに入るサイズよりも大きな荷物は受け取れないことがあります。
たとえば大型の家電や家具レベルの荷物は最初から宅配ボックスに入りませんし、ネット通販を頻繁に利用していても荷物のサイズ次第では再配達になってしまう場合があります。
宅配ボックスに入らない荷物は直接対面で受け取るしかなく、留守中には対応できません。
もちろん極端に大きな荷物はそう頻繁には届かないものですが、宅配ボックスに入らない荷物があるという点はデメリットと言えるでしょう。
建物の壁に埋め込む宅配ボックスのデメリット
設置後の移動や撤去が容易にできない
建物の壁に埋め込んだ宅配ボックスは、住宅の一部として組み込まれているため設置後の移動や撤去が簡単ではありません。
一度設置すると「やっぱり別の場所に…」と変更できないため、設置場所の決定は慎重に行いましょう。
例えば、宅配ボックスの位置が使いづらいと感じても、簡単に移せないもどかしさがあります。
建物一体型では断熱性低下
外壁に埋め込み型宅配ボックスを設置すると、壁の断熱材の一部を取り除くことになるため断熱性や気密性が低下する恐れがあります。
壁に穴を開ける以上、何もない壁と比べれば熱や空気を通しやすくなってしまうのは避けられません。
断熱性能に配慮した製品でない場合、冬場の冷気や夏場の熱気が玄関ホールに伝わりやすくなり、玄関周りの室内環境に影響が出る可能性があります。
そのため、建物一体型の宅配ボックスを選ぶ際は断熱材が組み込まれるなど断熱性を高める工夫を持つ製品を選ぶことが望ましいでしょう。
デザインやサイズの選択肢が少ない
壁埋め込み型の宅配ボックスは選べるデザインやサイズのバリエーションがそれほど多くありません。
埋め込み型は住宅や門柱と調和するようシンプルな見た目の製品が中心で、極端に大容量のものや装飾性の高いデザインは少ない傾向です。
また、壁に組み込む都合上、対応するサイズも限定されがちで、自分の欲しい色やスタイルのボックスが見つからない場合もあります。
デザインにこだわりたい人や大容量タイプを求める人にとって、選択肢が狭まる点はデメリットと言えるでしょう。
実用本位の設計が多いため、デザインに強いこだわりがある場合は物足りなさを感じるかもしれません。
玄関側、室内側に人が立つ空間が必要になる
壁埋め込み型では多くの場合、宅配ボックスの扉が玄関室内側に設けられます。
そのため荷物を室内(玄関ホール側)から取り出す際には、玄関内でボックスの扉を開けて荷物を取り出す作業スペースが必要です。
宅配ボックス本体が玄関ホール内に張り出す形になるため、玄関が狭い場合は圧迫感が出たり、荷物の出し入れ動作がしにくくなる可能性があります。
玄関内に荷物を取り出すための十分な空間がなければ、せっかく設置しても使いづらくなってしまいます。
十分なスペースが取れない間取りの場合、埋め込み型の導入はかえって不便に感じるかもしれません。
門柱に埋め込む宅配ボックスのデメリット
外に出て荷物を取り出す必要がある
門柱に設置した宅配ボックスは敷地の外側にあるため、荷物を受け取ったあと自分で取り出す際には外に出る必要があります。
受取口が玄関の中にない分、雨の日や夜間に荷物を取りに出るのが少し面倒に感じるかもしれません。
家の中から受け取りが完結しないため、宅配ボックスの利便性を十分に活かせないケースと言えるでしょう。
家から一歩も出ずに荷物を受け取りたいという場合には、門柱埋め込み型は不向きと言えるでしょう。
門柱のデザインとの兼ね合い
ボックスのサイズによっては門柱全体が大きく厚ぼったくなり、建物や外構のデザインと調和しにくくなる場合があります。
例えば、シンプルな細身の門柱に大型のボックスを組み込むとボックス部分が後ろに突き出してしまう形が気になる方もいるでしょうk。
門柱のデザインと宅配ボックスの存在感のバランスをよく検討する必要があります。
直射日光や雨風で劣化が進みやすい

門柱に埋め込む宅配ボックスは屋外に露出する形となるため、直射日光や雨風の影響を受けやすいです。
素材によっては長期間で色あせやサビ、汚れが目立ってくる可能性があります。
沿岸部など塩害のある地域では一層サビやすくなるでしょう。
耐候性・耐久性に優れた素材の商品を選ぶことで、経年劣化による見た目劣化を減らすことができます。
宅配ボックスの埋め込みで後悔しないポイント
サイズ
事前に受け取りたい荷物のサイズや頻度を考慮し、宅配ボックスのサイズを選びましょう。
埋め込み型は一度設置するとサイズ変更が難しいため、日頃からよく届く荷物が収まる容量かどうか確認しましょう。
一般家庭で受け取る荷物は主に下記の3つのサイズがあります。
- 60サイズ(3辺合計60cm)
- 80サイズ(3辺合計80cm)
- 100サイズ(3辺合計100cm)
将来的に宅配便の利用が増える場合も見据えて、できるだけ大きめサイズを選んでおくと安心です。
ただし設置スペースとの兼ね合いもあるため、玄関周りや門柱の寸法を測った上で適切なサイズを選定しましょう。
設置方法
宅配ボックスをどこにどのように設置するかも重要なポイントです。
新築計画の段階であれば、門柱に組み込むか建物の壁に組み込むかを外構プランに盛り込みましょう。
大きく分けて、下記の4つのタイプがあります。
新築であれば機能門柱一体型や門塀への埋め込みプランも有力な選択肢となるため、設置スペースを加味して外構業者さんと相談してみましょう。
防犯性
宅配ボックスを設置する以上、防犯性への配慮も欠かせません。
玄関先に置くタイプと同様、埋め込み型でも鍵付きや暗証番号式のロック機構が備わった製品を選びましょう。
特に門柱に埋め込む場合は道路に近いため、不審者に中身を狙われないよう鍵を閉めることができるかの観点は大切です。
施錠方法には鍵式(シリンダー錠・ダイヤル錠など)や暗証番号式、スマートロック式など様々ありますが、いずれにせよ鍵付きでしっかり施錠できるタイプを選びましょう。
素材
宅配ボックスの素材にも注目しましょう。
宅配ボックスは下記4つの素材で作られています。
それぞれのメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
樹脂 | ・強度が高く、防犯性に優れる ・比較的価格が手頃 |
・素材の性質上サビが発生する恐れがある ・重量があるため設置に手間がかかる |
ステンレス | ・サビや腐食に非常に強い ・高級感があり見た目もスタイリッシュ |
・素材価格が高く、本体価格も上がりやすい |
めっき鋼板 | ・ステンレスより安価 ・スチールよりも長持ちしやすい |
・ステンレスほどの防錆性能はない ・めっき層が傷つくとサビが広がりやすい |
アルミ | ・軽量で設置がしやすい ・サビに強く、雨や湿気に強い |
・強度はスチールやステンレスに比べてやや弱い ・外部からの衝撃に弱く、凹みやすい |
玄関周りに置くものなので、家の外観に調和する色や形状のものを選ぶと良いでしょう。
宅配ボックスとポストが一体型になった門柱3選
埋め込み型を検討するなら、宅配ボックスと郵便ポストが一体化した門柱タイプも人気です。
ここでは人気のある門柱を3つご紹介します。
LIXIL:機能門柱FT
LIXILの『機能門柱FT』は、狭小地にも対応し設置場所を選ばない、ポスト・宅配ボックス一体型の縦型門柱です。
宅配ボックスはネット通販でよく使われる最大80サイズ(3辺合計約80cm)の荷物まで受け取れるので、不在時でも安心です。
シンプルで継ぎ目の少ないミニマルデザインで細身の外観が特徴です。
価格は標準仕様でおおよそ20万円台前半からで、表札やインターホンなどのオプションにより変わります。
YKKAP:ルシアス ポストユニット
YKKAPの『ルシアス ポストユニット』は、表札・インターホン・ポストを一体化した機能門柱で、宅配ボックス対応デザインが豊富に揃っています。
大型の宅配便にも対応可能で、100サイズ(3辺合計100cm)の荷物を最大2個まで受け取れるモデルもあり、不在時の受け取りに便利です。
木調色からアルミ色まで豊富なデザインバリエーションが用意され、ナチュラルな住宅からモダンな外観まで幅広いお家に対応できるのも魅力的です。
価格は選ぶ型番や仕様によって異なりますが、標準的な機能門柱で定価ベース約20万円前後から購入可能です。
LIXIL:機能門柱FF
LIXILの『機能門柱FF』は、スリムなフレーム枠にポスト・宅配ボックスを組み合わせたスタイリッシュな門柱です。
宅配ボックスは120サイズ(3辺合計120cm)の荷物まで受け取り可能で、内部の仕切りフラップを利用すれば複数の荷物を同時に受け取ることもできます。
木調カラーと単色カラーを自由に組み合わせて選べるため、カラーバリエーションも豊富です。
価格はデザインや仕様によって幅がありますが、メーカー希望小売価格で約26万円から(インターホン価格除く)となっています。
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宅配ボックスの埋め込み設置は、外観デザインとの一体感や省スペース性といったメリットがある一方で、後からの交換や移動が難しい、設置工事にコストがかかるなどのデメリットもあります。
設置後に後悔しないため、日常的に受け取る荷物のサイズや玄関まわりのスペース、デザインの統一感を考慮しながら、経験豊富な外構業者に相談することが大切です。
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