YKK APのフェンス、どんなところが魅力?本部に聞いたこだわりの設計思想

YKK APは、国内有数の窓・ドアメーカーとして知られていますが、実はフェンスをはじめとしたエクステリア分野でも、住まいに“調和と安心”をもたらす製品づくりを続けています。
「どのフェンスも似たようなもの」と思われがちな中で、YKK APはどのような差別化をしているのか深掘りします。
本記事では、「ルシアス」や「シンプレオ」「プリュード」といった最新フェンス製品の特長を深掘りしながら、住まいの魅力を引き立てる“外構の選び方”を探っていきます。
なお、この記事は前回の ”「ドアから門扉・宅配ボックスまで」YKK APが提案する、鍵ひとつでつながる暮らしとは” に引き続きYKK APエクステリア本部長の苅谷さんに実際にインタビューを行ない作成しています。
YKK APのフェンスは切れ目が少なく意匠性が高い


苅谷氏
YKK APのフェンスはパネル同士が隙間なく繋がる構造になっていて、連続した面が途切れない分、ファサード全体をとても美しく見せるんです。」

苅谷氏
YKK APではフェンス製品として「ルシアス」と「シンプレオ」というシリーズを展開しており、いずれもその途切れのないデザイン性を追求したものになっています。
他社のフェンスだとアルミパネルのたて枠が正面から見える構造のため、連結部に左右のパネルのたて枠が並ぶことで、連続性が途切れてしまうデザインになってしまいます。
デザインだけでなく防犯性も重視した流れが加速
フェンスに関しても、そうしたニーズの高まりはありますか?

苅谷氏
もともと敷地をあえて囲わないオープン外構(開放的なスタイル)が流行していましたが、ここにきて境界をしっかり仕切ろうという風潮が強まっています。」

苅谷氏
YKK APのフェンス製品は標準で高さ1600mmまで対応するタイプを揃えています。
ブロックを2段積んだ上に設置すればトータルで高さ2m近くになって視線をしっかり遮ることができます。

高尺目隠しの高さのイメージ
防犯面やプライバシー確保の観点から、高さのあるフェンスへの需要は今後も高まっていくことが予想されます。
外構全体を“シリーズ化”で統一感あるコーディネート

ルシアスでコーディネートされたYKK60ビル内のプロユーザー向け展示場「YKK AP Exterior Exhibition Hall」

苅谷氏
「ルシアス」シリーズでは、門扉・カーポート・宅配ボックス・フェンスといった主要エクステリアを同じデザインテイストで統一することができます。


苅谷氏
個々のエクステリアごとにデザインや色を考える手間も省けますし、トータルコーディネートしやすい点でもメリットは大きいでしょう。
ルシアス・シンプレオシリーズのラインナップ
YKK APのフェンスであるルシアスシリーズ・シンプレオシリーズについてラインナップを紹介していきます。
シンプレオフェンスのラインナップ
シンプレオフェンスは、23種類の豊富なデザイン展開と高いコストパフォーマンスが魅力です。
他社の19種・17種より多いラインナップでより適したフェンスデザインを選べるのが特徴です。
25年4月現在では、他社(LIXIL・三協アルミ)の代表製品より安い傾向にあります。
デザイン性を重視しつつ予算を抑えたい方や、豊富なデザインの中から自宅に合ったフェンスを選びたい方に最適なシリーズです。
一部の商品を下記にて記載します。



価格設定がとてもリーズナブルで、中でもH1400・1600サイズはキッズデザイン賞も受賞しています。
キッズデザイン賞とは
子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・空間・活動・研究を対象とする顕彰制度です。
見た目の設計にも工夫がされており、構造体が正面から見えないフラットな作りとスリムなフレームで、全体がすっきりした印象です。
カラーは定番の5色を揃えているため、どんな住宅にも自然に馴染みます。
さらに、異なるデザイン同士を連結したり傾斜地に設置したりと、現場での柔軟な対応力も高いです。


耐風性能も全タイプ風速34m/秒相当(社内基準、一部は42m/秒相当)と安心ですし、多段施工(フェンスを継ぎ足して高さを出す施工)にも対応しています。
ルシアスフェンスのラインナップ
ルシアスフェンスはデザインバリエーションが非常に豊富です。
両面に木目調シートを貼ったタイプから半透明パネルを組み合わせたモダンなタイプまで、全部で24種類のデザインをラインナップしています。




しかも全デザインで風速34または42m/秒相当の2種類の耐風性能から選択可能で、高さも最大1.6m(ブロック併用で約2m)まで対応可能なので、デザイン性と機能性をしっかり両立できます。

苅谷氏

他社の代表製品は風速42m/秒の場合、柱ピッチが1mで柱の数やつなぎ目が増えるため、表面のなめらかさに差が出てきます。
フェンスより柔らかい境界を作るなら「プリュード」


苅谷氏
プリュードのフレームユニットはシンプルな枠組みで空間をゆるやかに仕切るアイテムで、下記の2つのラインナップがあります。
- 門まわり用のウォールフレームユニット
- 独立型のパーティションフレームユニット

それらを使えば植栽やエントランスを引き立てつつ、境界を解放感を保ちつつ自然に区切ることができます。
デザイン自体も無駄のない洗練されたフレームなので、設置するだけで外構全体がスタイリッシュな印象になります。
カラーはアルミ2色と木調5色の全7色展開で、他のYKK AP製品ともコーディネート可能です。

プリュードは、シンプルな建物でお庭の緑を主役にしたい方や、従来のブロック塀とはひと味違う門まわりを演出したい方にぴったりです。
比較的低コストなので、「予算を抑えつつ個性的な外構にしたい」というニーズにも応えられます。
まとめ
フェンスは「ただの境界」ではなく、住まいの価値や暮らしの質を高める大切な要素です。
YKK APが展開するルシアス・シンプレオシリーズは、デザイン性・機能性・施工性のすべてにおいて優れ、さまざまなライフスタイルや住まいの個性に対応できるラインナップとなっています。
また、プリュードのように柔らかな仕切りで空間を演出できる商品も登場し、より自由度の高い外構づくりが可能になっています。
フェンス選びに迷った際は、外構全体の統一感や将来的なメンテナンス性も含め、YKK APの提案をぜひ参考にしてみてください。