ソーラーカーポートの相場価格は?メリットや注意点なども解説
ソーラーカーポートの価格は、2~3台用で大体200~300万円程度が目安の相場となっています。
ただし、価格以外にも注意点があります。
カーポートを建てる予定の敷地面積に応じた商品を施工してもらう必要があったり、同じカーポートでも設置する太陽光発電の性能が異なるケースです。
ソーラーカーポートを後悔なく建てたい場合は、下記の3点を必ず押さえてください。
- 複数社から見積もりをとって必ず比較検討する
- 自社施工業者に依頼する
- 工事内容に合わせた得意な業者に依頼する
ソーラーカーポートは他の外構工事と異なり、太陽光発電という電気工作物を敷地内に設置することになります。
そのため、カーポートだけではなく太陽光発電にも通じている工事業者に依頼することができるかどうかが重要なポイントです。
この記事では、最新のソーラーカーポートの紹介、ソーラーカーポートのメリットや注意点についても解説していきます。
ソーラーカーポートは3種類
ソーラーカーポートとは、柱と屋根のみで構成された駐車スペースに太陽光発電システムを組み合わせたものです。
そして、ソーラーカーポートは大きく分けて下記の3種類です。
- 屋根一体型
- 太陽光搭載型
- オーダーメイド型
それぞれの特徴について解説していきます。
屋根一体型
屋根一体型ソーラーカーポートは、カーポートの屋根部分に最初から太陽光パネルが組み込まれている商品です。
屋根一体型は、屋根自体が太陽光パネルになっている商品がほとんどなので、太陽光パネルを後から取り外すことなどはできませんが、見た目がスッキリしているのが特徴です。
太陽光搭載型
太陽光搭載型というのは、各カーポートメーカーから商品化されたカーポートの上に、太陽光発電システムを後付けで搭載するという方法です。
太陽光パネルを乗せることを想定されて作られたカーポートもあれば、普通のカーポートの上に設置することもあります。
ただし、太陽光パネルを設置するには強度が必要なので、ポリカーボネートの屋根のカーポートには設置することはできません。
また、耐積雪性能や耐風圧性能によって、お住まいの地域では、お好みのカーポートの上には設置できないことがあります。
オーダーメイド型
オーダーメイド型は、カーポートをオーダーメイドで建て、その上に太陽光発電システムを設置するという方法です。
太陽光搭載型との違いは、カーポートは商品化されているものかオーダーメイドかという違いです。
オーダーメイド型は、商品化されたカーポートだと家の敷地に上手く収まらない時にも、柔軟に形状を変えて建てられるのが魅力ですが、カーポートの価格がその分高くなってしまうのがデメリットです。
台数別のソーラーカーポートの価格相場
ソーラーカーポートは、カーポートの大きさ(車何台用か)と太陽光発電システムの出力によって大体の金額を出すことができます。
しかし、各販売施工会社によって工事費や仕入れ値が違うため、正確な金額はお見積りを出してもらう必要があります。
太陽光パネル出力 | 屋根一体型 | 太陽光搭載型 | |
---|---|---|---|
2台用 | 3~6kW | 200万円前後 | 150~200万円 |
3台用 | 5~9kW | 260万円前後 | 190~260万円 |
人気のソーラーカーポートを紹介
屋根一体型商品
ネクストエナジー | Dulight
メーカー | ネクストエナジー |
---|---|
商品名 | Dulight |
駐車台数 | 2~4台 |
太陽光発電定格出力 | 5.9kW・8.26kW・10.62kW |
耐積雪 | 60cm |
耐風圧 | 38cm/秒 |
公式サイト | https://pd.nextenergy.jp/solar_carport/products/product_02.html |
太陽光を表面と裏面どちらからも取り込める太陽光パネルを採用した商品です。
太陽光パネルの出力保証30年、システム機器保証15年と手厚い保証が強みです。
ネクストエナジー | Dulight-S
メーカー | ネクストエナジー |
---|---|
商品名 | Dulight-S |
駐車台数 | 2~4台 |
太陽光発電定格出力 | 5.9kW・8.26kW・10.62kW |
耐積雪 | 99cm |
耐風圧 | 38cm/秒 |
公式サイト | https://pd.nextenergy.jp/solar_carport/products/product_02.html |
Dulightの積雪仕様商品
太陽光を表面と裏面どちらからも取り込める太陽光パネルを採用した商品です。
太陽光パネルの出力保証30年、システム機器保証15年と手厚い保証が強みです。
スカイジャパン | スカイポート GULAN 5.94kW
メーカー | スカイジャパン |
---|---|
商品名 | スカイポート GULAN 5.94kW |
駐車台数 | 2台 |
太陽光発電定格出力 | 5.94kW |
耐積雪 | 65cm |
耐風圧 | 38cm/秒 |
公式サイト | https://sky-sola.com/products/skyport/spt-g2p.php |
Panasonic製の太陽光パネルを採用している商品です。
機能性、安全性、意匠性、構造性から高品質を売りにしており、特に安全性に関してはいくつも強度試験をクリアしているため、建築確認申請がスムーズに進み、審査期間の短縮に期待できます。
スカイジャパン | スカイポート GULAN 6.21kW
メーカー | スカイジャパン |
---|---|
商品名 | スカイポート GULAN 6.21kW |
駐車台数 | 2台 |
太陽光発電定格出力 | 5.94kW |
耐積雪 | 65cm |
耐風圧 | 38cm/秒 |
公式サイト | https://pd.nextenergy.jp/solar_carport/products/product_02.html |
上記と同一名称の商品でPanasonic製ではなく自社製造パネルを採用している商品です。
機能性、安全性、意匠性、構造性から高品質を売りにしており、特に安全性に関してはいくつも強度試験をクリアしているため、建築確認申請がスムーズに進み、審査期間の短縮に期待できます。
日栄インテック | E-port V
メーカー | 日栄インテック |
---|---|
商品名 | E-port V |
駐車台数 | 2~4台 |
太陽光発電定格出力 | 5.85kW・9.36kW・11.7kW |
耐積雪 | 60cm |
耐風圧 | 38cm/秒 |
公式サイト | https://www.nichieiintec.jp/solar/2117.html |
DMM製の表面と裏面で発電する太陽光パネルを採用した商品です。
ネクストエナジーと同じく、太陽光パネルの出力保証30年、システム機器保証15年と手厚い保証が強みです。
オプションで10年の自然災害保険も用意されています。
太陽光搭載型商品
日創プロニティ | ソーラーネオポート
メーカー | 日創プロニティ |
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商品名 | ソーラーネオポート |
駐車台数 | 2~3台 |
太陽光発電定格出力 | – |
耐積雪 | 30cm |
耐風圧 | 46cm/秒 |
公式サイト | https://www.kakou-nisso.co.jp/product/pdd002/ |
太陽光搭載型のため、太陽光パネルは後付けになります。
太陽光パネルを載せることを前提に作られたため、強力な耐風圧性能が強みの商品です。
LIXIL | カーポートSW
メーカー | LIXIL |
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商品名 | カーポートSW |
駐車台数 | 1~2台 |
太陽光発電定格出力 | – |
耐積雪 | 30~50cm |
耐風圧 | 46cm/秒 |
公式サイト | https://www.lixil.co.jp/lineup/carspace/carport-sw/ |
耐積雪30cmと50cmのモデルがあります。
太陽光パネルを載せることを想定して作られた商品ではありませんが、耐風圧が強みのため太陽光搭載型の提案をする業者が好んで使っているカーポートです。
屋根の材質をオプションで折半屋根にしないと太陽光パネルの設置ができないので注意が必要です。
LIXIL | カーポートST
メーカー | LIXIL |
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商品名 | カーポートST |
駐車台数 | 1~2台 |
太陽光発電定格出力 | – |
耐積雪 | 100~200cm |
耐風圧 | 46cm/秒 |
公式サイト | https://www.lixil.co.jp/lineup/carspace/carport-st/ |
耐積雪100cm、150cm、200cmのモデルがある積雪地域仕様のカーポートです。
こちらも上記と同じく太陽光パネルを載せることを想定して作られた商品ではありませんが、耐風圧が強みのため太陽光搭載型の提案をする業者が好んで使っているカーポートです。
屋根の材質をオプションで折半屋根にしないと太陽光パネルの設置ができないので注意が必要です。
YKKAP | ジーポート Pro PV
メーカー | YKKAP |
---|---|
商品名 | ジーポート Pro PV |
駐車台数 | 1~3台 |
太陽光発電定格出力 | – |
耐積雪 | 30~150cm |
耐風圧 | 46cm/秒 |
公式サイト | https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/gport_pro/lineup |
こちらは太陽光パネルを搭載することを想定して作られたカーポートです。
耐積雪性能は、30cm、60cm、100cm、150cmのラインナップがありますが、150cmの3台用はないのでご注意ください。
性能面でも優れ、デザイン的にも家の外観を崩すことがないオシャレな商品です。
ソーラーカーポートの3つのメリット
ソーラーカーポートのメリットは3つあります。
- 太陽光発電の設置スペースを後から作れる
- 元々何もない場所を節電のために有効活用できる
- カーポート自身に設置代を負担させることができる
メリット1.太陽光発電の設置スペースを後から作れる
太陽光発電は、まず自宅屋根に設置検討するケースが多いのですが、屋根の向きや大きさの関係で乗せられないことがあります。
しかし、ソーラーカーポートなら太陽光発電に不向きな家でも、設備に必要なスペースを後から作ることができます。
デメリット2.建築確認申請を出す必要がある
これはソーラーカーポートに限らず、カーポート全体に言えるのですが、基本的に駐車可能なサイズの建築物(床面積が10平米を超える大きさ)を敷地内に建てることになれば、建築確認申請を出す必要があります。
ただし、申請はカーポートの業者が代行してくれることもあるようです。
デメリット3.建ぺい率に注意する必要がある
上記のデメリット2とも関係する話ですが、カーポートは自宅敷地内に建つ建築物なので、敷地に対して建ぺい率が超えないよう注意する必要があります。
建ぺい率により、3台用カーポートが欲しかったが、建てられなかったというケースも出てくると思います。
建ぺい率はお住まいのエリアにより異なるので事前に確認しましょう。
【後悔しないために】ソーラーカーポートの3つの注意点
注意点1.カーポート目的ではなく太陽光発電設置が目的の場合
そもそもカーポートの費用を払い太陽光発電をつけるメリットがあるのか見直しましょう。
稀に、太陽光発電を設置したい(もしくは増設したい)ために、ソーラーカーポートを検討している方がいます。
ただ、太陽光発電の費用だけでなくカーポート代が必要になってくるため、太陽光発電の経済的なメリットを求める方がソーラーカーポートを検討するのは本末転倒です。
あくまで、カーポートを元々欲しいと思っている方が、カーポート代を浮かせるために、太陽光発電を検討するというのが正しいソーラーカーポートの検討の順序です。
注意点2.建築基準法上の構造安全性
お住まいの地域に合わせて適切な耐久性のあるカーポートを選択するようにしましょう。
主には耐積雪と耐風圧です。
どれだけの積雪と風圧に耐えられるカーポートなのかというのは商品によって異なります。
例えば、積雪地域では耐雪100cm以上のものでないと倒壊してしまう恐れもあり、雪が降るかどうかはカーポート選びでの重要な要素と言えます。
各市区町村により、どれだけの性能を満たしている必要があるか異なりますので、事前に確認していただく方が商品選びもスムーズになります。
注意点3.カーポートを建てる場所の用途地域・地目
カーポートを建てるのが難しい場所が、市街化調整区域や農地です。
基本的に自宅に隣接してカーポートを建てる方がほとんどですが稀に自宅の敷地が広く敷地の地目が分かれているケースがあります。
自宅の敷地内とはいえ、市街化調整区域や農地にでもカーポートを設置する場合は設置不可や用途変更の申請を出す必要があるので注意しましょう。
その他にも、行政による景観条例でソーラーカーポートを建てられない場合もありますので、カーポートを建てる場所がどこに属しているのか、事前にご確認ください。
ソーラーカーポートを設置する業者の選びのポイント
ソーラーカーポートを検討する際は、下記の条件を満たす業者から提案を聞くと完工までスムーズに進むことが多いです。
- 太陽光発電やカーポートの設置を自社で施工できる業者
- すぐにアフターメンテナンスに来れる距離の会社
- 基本的には太陽光発電の設置に対応できる業者
特に3つ目の「基本的には太陽光発電の業者」、とても重要です。
太陽光発電は専門性が高く、工事をするには第二種電気工事士の資格や、パネルメーカーの免許が必要になります。
そのため、ソーラーカーポートを取り扱える太陽光発電の専門業者からお見積りを出していただくのが一番スムーズです。
ソーラーカーポートに関してよくある質問
ソーラーカーポートに固定資産税はかかりますか?
基本的にはかかりません。
この質問に関しては、カーポートと太陽光発電がそれぞれ課税対象になるのかどうか、という点を理解しておくと良いと思います。
まず、カーポートが固定資産税の対象となるには、下記の条件を全て満たした場合です。
- 定着性…基礎があり、土地に定着しているか
- 外気遮風性…「屋根」があり「三方向以上の周壁」があるか
- 用途性…居住・作業・貯蔵などの用途に供し得る状態であるか
カーポートは三方向に壁がなく、柱と屋根だけで構成されたものなので、固定資産税の対象には当たりません。
ガレージはこれらの条件を満たしてしまうので対象になる可能性が高いです。
次に、太陽光発電が固定資産税の対象になるかどうかは、下記のいずれかの条件を満たした場合です。
- 10kWを超える規模のシステムがついている(設置場所が個人宅でも、10kWを超えると産業用という扱いになってしまいます)
- 発電した電気を店舗兼住宅や賃貸不動産など事業の一部として利用しているか(賃貸不動産の場合は、借りている住人が電気を使っていたとしても事業の一部とみなされます)
太陽光発電の場合はいずれかの条件を満たすと固定資産税の対象となってしまいますが、基本的に住宅での利用目的であれば、これらの条件を満たすことはほとんどありません。
そのため、カーポートとしても太陽光発電としても、固定資産税の対象にはならないため、ソーラーカーポートが課税対象となる可能性は限りなく低いと言えます。
ソーラーカーポートは元が取れますか?
基本的にソーラーカーポートは、金銭的に元を取るための商品ではない商品と認識しておきましょう。
あくまで、カーポートを建てたいと思っている方が、長期的に見た時に費用負担の軽減策として考えるべき商品が、ソーラーカーポートです。
自宅の屋根に設置する太陽光発電単体は、設置環境が良ければ元を取り戻すことは可能です。
しかし、ソーラーカーポートの元を取り戻すということは、カーポートにかかる費用も回収するということなので、太陽光発電やカーポートの耐用年数を考えると難しいのではないかと思います。
ソーラーカーポートはどこの業者に頼めば設置してくれますか?
太陽光発電の業者にお願いするのが一般的です。
カーポートが得意な外構業者も太陽光発電に関しては、全く知識がないということが多く、どのカーポートの上なら太陽光発電が設置できるか把握していないケースがとても多いです。
そのため、太陽光発電の業者の中でも、ソーラーカーポートの提案が可能な業者へ依頼することをお勧めしています。
ソーラーカーポートは専門業者から話を聞こう
ソーラーカーポートは、カーポートと太陽光発電という、全く別々の商品を一つに組み合わせたものなので、どちらの知識も持っている業者に依頼する必要があります。
稀に、訪問販売の全く知識がない方がソーラーカーポートを売って、後から太陽光発電の保証が下りないことに気付いたり、数年でカーポートの基礎が崩れてしまったりという話も聞きます。
なので、これからソーラーカーポートを検討する方は、カーポートを扱える太陽光発電の業者から話を聞くようにしましょう。